東大へ行ってきました。
赤門は閉鎖中のため、正門へ回ります。
向かった先は、教育学部棟。
東京大学大学院教育学研究科教育心理学コースのワークショップへの参加です。
18歳以降に筆を用いた書を習ったり、半年以上の独学をしていない人が対象。
私は3歳〜14歳まで書道を習っていましたが、その後筆を持ったのは、イタリア在住時に大家さんの姪に数回教えた時のみ。
あとはのし紙・熨斗袋、年賀状に筆ペンで文字を書く程度。
ただ、ここ1年くらい、また書道を習いたいと思っていました。
それを知っていた友人が、今回のワークショップに誘ってくれたのです。
残念なことに友人は体調不良で当日参加できず、私1人で参加してきました。
会場となる教室。
墨で汚れないよう、ブルーシートと新聞が床に敷いてあります。
この日の参加者は5名。
1人に1台与えられた机には、懐かしい習字道具が並べられています。
今回のテーマは「かぜ」。
先ずは、何も考えずに「かぜ」と書きます。
子供時代は展覧会で入賞しトロフィーや盾も幾つかいただきましたが、数十年ぶりに握る筆は感覚が掴めず、「か」の縦線は震えるは、「ぜ」の2画目が右過ぎてバランスは悪いわ、散々な結果に。
載せるのもためらわれた1枚です。
ここからが本番。
担当院生で書道の先生でもいらっしゃる畠田先生に教わり、書き出し時の筆の角度を0度〜180度に変化を付け、いくつも線を書いていきます。
墨の付け具合や力の入れ方を変えて。
書くスピードの違いや、1本の線の中に様々な変化を付けたりも。
お手本を見ながら、8種類のことなる「か」を書いてみます。
同じように、「ぜ」も書きます。
最後は、風をイメージしながら「かぜ」と書きます。
私はここ数日の金木犀香る爽やかな秋風を想像して書きました。
横に吹く様子をイメージし、半紙も横に置いてみます。
子供の頃の書道では模範的な整った字を書くことのみ習っていたので、このように自分の好きな線や形を使う書き方は初めてです。あの頃にこういったことも教わっていれば、私の書道人生も変わっていたかもしれません。
今回のワークショップで興味深かったのは、他の参加者の皆さんもおっしゃっていましたが、同じお手本で同じように教わっても、最後に書いた「かぜ」の字が全く異なるものだったことです。
当たり前のことですが、人間の感性は人それぞれ、人の数だけ多様だと再認識しました。
終始和やかな雰囲気で行われ、チョコレートのおやつまでご用意いただき、2時間半があっという間に過ぎていきました。
筆で字を書くことの楽しさが蘇り、また様々な種類の線を用いることが面白く、終わった時は「まだ書いていたい」という気分でした。
書道への熱がまた一段と高まった1日となりました。
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